死体、遺体の違い
死体と遺体の違いは、死んだ人を人格性をこめて表現しているかどうかにあります。
死体とは、人や動物の生命の絶えた肉体を客観的に表したもので、肉体を物としてみています。
遺体とは、死んだ人の人格性をこめて丁寧に表したものです。
最近、放送業界では「死体」はきつい感じがして使いにくいとのことで、遺体を使う傾向が多いようです。
参考文献:
■遺体
①父母があとにのこした体。すなわち、その(父母の)子。ゆいたい。②死んだ人のからだ。なきがら。死体。遺骸。
(小学館『日本国語大辞典 第三巻』)
①《魂が去って遺された身体の意》死んだ人のからだ。なきがら。遺骸。「死体」よりも丁寧な言い方。②《父母がこの世に遺した身体の意》自分のからだ。
わが身。
(小学館『大辞泉』)
死んだ人の体。「亡骸」「遺骸」「遺体」の中では最も普通に用いられる。
(講談社『類語大辞典』)
①(「父母ののこした身体」の意から)自分の身体。②人のなきがら。遺骸。
(岩波書店『広辞苑 第六版』
)
①死んだ人のからだ。なきがら。遺骸。②父母の残してくれたからだ。自分の身体。
(三省堂『大辞林』)
■死体
死んだ人や動物のからだ。なきがら。しかばね。死骸。しにからだ。
(小学館『日本国語大辞典 第三巻』)
死んだ人間・動物のからだ。生命の絶えた肉体。死骸。しかばね。◆「死体」「死骸」「しかばね」には肉体を物としてみている語感があり、人格を認めた表
現にはふつう「遺体」「遺骸」「なきがら」などを用いる。
(小学館『大辞泉』)
まだ、生きていたときの面影をだいたいの形で残している死んだ動物、特に人間の体。
(講談社『類語大辞典』)
死んだ人や動物のからだ。死者の肉体。死骸。
(岩波書店『広辞苑 第六版』
)
死んだ人間や動物のからだ。死骸。〔類義の語に「遺体」があるが、「遺体」は人のなきがらを人格性をこめて丁寧に言う場合に用いる。それに対して「死体
」は死んだ人・動物のからだを客観的に言う意を表す〕
(三省堂『大辞林』)