淫ら、卑猥、淫乱、わいせつの違い

淫ら、卑猥、淫乱、わいせつの違い
まとめ

淫ら、卑猥、淫乱、わいせつの違いは、①不快かどうか、②性に対して慎みのない性格なのか、③社会風俗に反しているかにあります。

淫らとは、性に関して慎みがなく下品であることです。
卑猥とは、性に関して慎みがなく下品で、不快であることです。
淫乱とは、性に関して慎みがなく下品なことをしたがる性質のことです。
わいせつとは、性に関することを健全な社会風俗に反する態度・方法で取り扱うことです。

詳しく

淫ら、卑猥、淫乱、わいせつは、性に関して慎みがなく下品であることは共通しています。
性に関して慎みがなく下品なこと全般が「淫ら」、
誰かに不快と感じられると「卑猥」、
性に関して慎みがなく下品なことをしたい性格を「淫乱」、
いたずらに人の性欲を刺激し、社会に悪影響を与える場合は、「わいせつ」となります。


報道では、淫らな行為=性交あり、わいせつな行為=性交なし、のように使い分けるという説もありますが、言葉上そのような違いはありません。

姦、強制わいせつは法律上で明確に分けられています。
法律では性交(姦淫)があれば強姦、なければ強制わいせつです。

強姦罪は、性交があるなしが定義されており、「暴行・脅迫を用いて被害者の抵抗を著しく困難な状態に追い込み、かつ姦淫(かんいん)を行うこと」とあります。姦淫とは性交のことをさします。
強制わいせつ罪は、「暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をすること」とあり、性交のありなしは書いていません。しかし、法律上、強姦でなければ、強制わいせつとなるため、定義には書かれていませんが、性交がない行為は強制わいせつとなります。

婦女暴行という言葉もありますが、これは法律用語ではなく、そのままの意味で婦女を暴行することを指しています。
婦女暴行には姦淫のあるなしは関係ありません。プライバシーを尊重するためだったり、その時点で強姦か強制わいせつかわからない時などに使用します。


参考:

■淫ら(みだら)

性に関して乱れて締まりがないさま。(創拓社『似た言葉使い分け辞典』)
性に関してふまじめで、だらしのないさま。淫猥(いんわい)。(小学館『大辞泉』)
性的なことに関してつつしみがなく下品である様子。(講談社『類語大辞典』)
男女間の不品行なさま。だらしがないさま。礼儀の正しくないさま。みだり。淫猥。猥褻。(岩波書店『広辞苑』)
性的に乱れていること。ふしだらである・こと(さま)。(三省堂『大辞林』)


■卑猥(ひわい)

性についてみだらな感情を起こさせたり、みだなら行為をしたりするさま。(創拓社『似た言葉使い分け辞典』)
品がなくみだらなこと。また、そのさま。(小学館『大辞泉』)
性的なことをいかにもみだらに扱っていて、不快である様子。(講談社『類語大辞典』)
男女の性に関する事柄を健全な社会風俗に反する態度・方法で取り扱うこと。性的にいやらしく、みだらなこと。(岩波書店『広辞苑』)
下品でみだらな・こと(さま)(三省堂『大辞林』)


■淫乱(いんらん)

色欲をほしいままにしてみだらなこと。また、そのさま。(小学館『大辞泉』)
性欲に突き動かされやすく、節度なく性的な行為をする性質である様子。(講談社『類語大辞典』)
みだらな行いをほしいままにし性的に乱れていること。(岩波書店『広辞苑』)
情欲をほしいままにする・こと(さま)(三省堂『大辞林』)


■猥褻(わいせつ)

性についてみだらな感情を起こさせたり、みだなら行為をしたりするさま。(創拓社『似た言葉使い分け辞典』)
①みだらなこと。いやらしいこと。また、そのさま。 ②法律で、いたずらに人の性欲を刺激し、正常な羞恥心を害して、善良な性的道徳観念に反すること。(小学館『大辞泉』)

ことさらに刺激的な性表現をするなどして公序良俗に反している様子。(講談社『類語大辞典』)

男女の性に関する事柄を健全な社会風俗に反する態度・方法で取り扱うこと。性的にいやらしく、みだらなこと。(岩波書店『広辞苑』)

①いやらしいこと。みだらなこと。また、そのさま。
②〔法〕いたずらに性欲を興奮・刺激させ、普通人の正常な羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反すること。また、そのようなさま。  (三省堂『大辞林』)